いつだってボンベイ

本、映画、音楽に浸り、美味しい食と巡り合う。

退屈を妄想で潰すなら

この人に手伝ってもらいましょう。

 

森見登美彦

 

京都を舞台とし、腐れ大学生の思考、その思考からやむにやまれずした行動について、丹念に、威風堂々と描きます。

かなり個性的な語り口なので、苦手な人は苦手です。私は二人の人に薦めましたが、二人ともダメでした。それ以降はあまり、人に薦めないようにしております。

 

さて、そんな作者の作品の中でも私の1番のお気に入りはこちらです。

 

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

 

 本屋でお見かけした方も多いかもしれません。

 

主人公はさえない大学生。(とはいっても京大生ですよ!?)

ある女の子にとことん惚れております。

 

この物語はなんとか彼女の目にとまろうと(作中では『ナカメ作戦』と呼ばれています)主人公が空回りしつつ、ひたすら彼女の心の外堀を埋めていくお話です。

その主人公の涙ぐましい努力はどこか滑稽で、でもまっすぐで、ついつい応援してしまいます。

そして、お目当の彼女はど天然。

回りくどい草食男子と天然女子。

決して結ばれそうにない二人ですが…

 

とにかく、二人の奥ゆかしいやりとりが可愛くて可愛くて。

天然女子が嫌いな男性諸氏もこの子には骨抜きにされてしまうのではないでしょうか。

 

そして、忘れては行けないのが作品の世界観です。

ベースは、ファンタジーです。しかしそれは現実の延長線上にあるファンタジーです。

勇気を出して、一歩踏み出した者が見られる世界。とでも言いましょうか。

 

日常が退屈で、「何かいいことがないかなぁ」と燻っている方。

この本を読むと、「退屈な日常も外堀を埋めるところから始めれば、いつの間にか不思議でワクワクするような世界に入り込めるのではないか」そんな気になります。

 

是非!

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